家の周りうろうろするしかないのと風の歌について

 

からだをもっていることが特別なんじゃないかって、風と、風のなかを歩く

 

(谷川由里子『サワーマッシュ』より)

 

 

家の周りをうろうろするしかない日々だ。

感染症になるのがこわくて、スーパーやコンビニに行くだけなのに、なにか悪いことをしているような気を引きずって入り、早く出ないとと思う。

こんなのあんまりだけど、昼間のニュースによるともっとあんまりな出来事が起こっている、らしい。救急車に乗れないほど治療体制が逼迫しているというのはまさに災害級だと思う。でも感染症にかかっていない側の世界はほとんどいつもと変わらず、利益が得られない(ように感じる)のに制約がじりじりともう1年以上続いており、心配するのも疲れるのも疲れてしまったと思う。

人の中には共感性の低い、もしくはない人がいると思うが、こんなふうな災害を乗り切るのに適した能力なのかもしれないなと思う。だっていちいち心配したり心を痛めていたらとても保たない…。

 

 

からだをもっていることが特別なんじゃないかって、風と、風のなかを歩く

 

子を抱っこしてスーパーまで行く道で、変わることといえば風の有無と気温と天気くらいしかない。子に、かぜがつよいねーと話しかけるけど、子は無反応である。私はこんどからこの歌を思い出しそうだ。