月 とだけ、伝えたくなる ひとつだけ胸ぜんたいに月が広がる
(谷川由里子 『サワーマッシュ』より)
最初に白状するが、えいやと開いたページに載っていた短歌を紹介している。
え、いい歌… と思った。このブログは(今現在執筆時は)横書きのフォーマットなので最初の「月」が左端に来ているが、縦書きだとまさに天に月がひとつだけあるように月という文字がひとつだけあるのだ。
それにその下の内容も、いやこれ説明要る?けっこう完璧じゃない?
現実にはひとつだけのぽつんとした月なはずだけど、決して広がりはしない月だけど、自分の内面は無限なのだから、月とだけ伝えたい が発生したその瞬間に月はもう広がっているし月と伝えたいは同じものなのだという…かんじ?
もし、井の頭公園で夜の花見をしながら酒を飲んでいたら、谷川さんが「月」って言いそうだなー、言ってほしいなーと思った。
月 とだけ、伝えたくなる ひとつだけ胸ぜんたいに月が広がる